欧州(EU/英国)の金融機関がAPI公開に取組む背景にはレギュレーションがありましたが、コロナ・パンデミック対策としてデジタル・チャネル強化が進む中、金融機関のAPI活用に対する姿勢は、ここ1-2年で大きく進化しました。APIに消極的だった銀行も、競争力のあるサービスを迅速に投入し、カスタマー・エクスペリエンスを向上させる手段として積極的な姿勢に転じています。アイテ・ノバリカ・グループでは、この分野動向をレポート「CIO/CTO Checklist: Open Banking Standards and Impact on API Development」にまとめました。
■ オープンバンキングに関するレギュレーション
2016年、EUでは「決済サービス指令(PSD2:Payment Service Directive 2)」が発効し、銀行は他の金融機関やフィンテック事業者に対してのAPIの公開が義務づけられた。英国のCMA(公正取引委員会に相当)も、同様のOpen Banking Recommendationsを公表している。業界の自主規制が主体の米国では制度はないものの、フィンテック企業(YodleeやPlaidなど)や大手銀行の動きはAPI活用促進へと動いている。