デリバティブ取引を行う金融機関/セルサイド企業では、新たに強化されるレギュレーションに対応するため、フレキシブルなクラウド・コンピューティングを活用してリスク管理をレベルアップする動きが始まっています。アイテ・ノバリカ・グループでは、グローバル金融機関に対するヒアリング結果を中心に、その取組みをレポート:To Cloud or not to Cloud: Factors influencing decsision-making at banks をまとめました。ここではその概要をご紹介します。
■ クラウドの発展と認識の変化
クラウド・コンピューティングが登場して約15年が経過した。当初は、手軽で便利だがセキュリティ面やパフォーマンス管理で問題があると認識されていたが、様々な改善が進み、昨今では米国の諜報機関がクラウド環境を利用するなど「セキュリティ面でクラウドのほうが安心」と認識されるまでになった。金融業界でも小規模プロジェクトでクラウドの利用経験が積み重ねられ、銀行がコアバンキング・システムをクラウドへ移行するなどの事例も登場している。