50か国以上で個別に稼働しているコアバンキング・システムを統一し、更にクラウド移行するプロジェクトを推進しているスタンダード・チャータード銀行の話題です。一部の国ではクラウド版への移行が完了しています。
■ スタンダード・チャータード銀行の歴史
1853年にイギリスで設立されたスタンダード・チャータード銀行(以下SC銀行)は、旧イギリス領のアフリカやアジア諸国の支店網がビジネス基盤となり、59か国/800支店を展開するグローバル金融機関である(総資産8000憶ドル:世界ランキング40位(2020年))。イギリス国内支店はない)。現在のビジネスの中心はAPAC(65%を占める)で、香港では香港ドルの発行銀行の一行でもある。シンガポール政府系ファンドのテマセク・ホールディングスが筆頭株主となっている。
事業内容は、法人顧客に対するトランザクションバンキング/キャッシュ・マネジメント/トレードファイナンス/多国間多通貨の外国為替業務など包括的なコマーシャル・バンキング・サービスが中心だが、個人向けにはリテールバンキング/ウェルス・マネジメントも提供されている。