July 2021 -Novaricaが毎年開催している保険業界Impact Awardは、本年10年目を迎え、今回は、66件のITイニシャティブを評価した。本編では、デジタル化施策に関する20社の事例を取り上げている（姉妹編では、コア・システム、データ／アナリティクス、ITプラクティスを取り上げた）。

各ケース・スタディでは、ビジネス・ニーズ/責任者と体制/スケジュール/利用したテクノロジー/遭遇した課題と解決策/成功の要因/ビジネス面での成果をまとめた。

Novarica Research Councilのメンバーである保険会社CIO60余名が投票を実施、2021年度Impact Award受賞プロジェクトを選定した。

2021年デジタル化施策部門受賞企業

• National Life:   電子保険証書の交付システムを23日間で構築
• QBE:  デジタルAPIのためのマーケット・プレイスを設置
• • Columbia:  STPを実現するエージェント・ポータルをクラウド環境上に構築

注目点

生命保険会社はデジタル・チャネルの活用を重視している:  本年度は、パンデミックを背景に、デジタル・チャネルを活用するケース・スタディー（加入申込み/書類の交付/各種セルフ・サービス機能など）が多く見受けられた。

デジタル化の目的は、営業推進と効率化が大多数である: 多くの保険会社が、テクノロジーを活用し、新しいセールス・チャネルを設けたりワークフローを見直して効率を高めた。

デジタル化施策に関する収支は、通常、計測/公表されない: デジタル化施策に関して、その成果を金額換算/時間換算して評価しているケースは少数にとどまる。