February 8, 2023 – 金融機関の不正担当部門は、ソーシャル・エンジニアリングによる不正行為（消費者が犯罪者に騙されて不正送金をするなど：金融機関の視点からは顧客の依頼に基づく正規の処理）をどのように捉えるべきか判断に苦しんでいる。そもそもこのような不正を金融機関が大きな課題と位置付けるべきかという根本問題もある。昨今の不正行為の傾向は、社会問題や心理学など、多くの人が考えている以上に広範囲な課題を抱えている。

当レポートでは、不正行為のパターンの変化と金融機関に与える影響（＝不正による損失/カスタマー・エクスペリエンス/業務効率/コンプライアンス対応をどうバランスさせるか）を考察する。執筆にあたっては、2022年9月にアイテ・ノバリカ・グループが開催した「Financial Crime Forum」に参加された金融機関の不正防止部門責任者34名に対するヒアリング調査を活用した。

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本稿では、Early Warning Services に言及している。