顧客満足度測定:NPSの普及と次の一手

顧客満足度の計測にNPS(ネット・プロモーター・スコア)を活用する企業が増加していますが、普及が進んだことで新たな課題も見え始めています。2022年11月に発刊したレポート:Beyond NPS: HOW TO MEASURE CUSTOMER EXPERIENCE EFFECTIVELYでは、NPSを補完する様々な計測手段や顧客満足度測定とビジネスとの相関を高める論議をまとめてます。


■ NPSの普及と課題
NPS(ネット・プロモーター・スコア)は、2003年にベイン・アンド・カンパニーが考案した顧客満足度の計測指標で、2020年時点で米フォーチュン1000企業の三分の二が採用している。計測方法は、顧客に対して「その企業の製品/サービスを友人に勧めるか」の評価を10段階で問い「推奨する」割合と「推奨しない」割合の差を数値化する。企業は、自社に対する顧客の信頼感が計測できるようになることから、多数の企業が顧客との接点の評価/改善に活用するようになった。

NPSは、データ収集や分析が簡単、他社との比較が可能などの長所により広く普及したが、利用が進むにつれ以下のような課題を指摘する声も生まれた。
(1)「友人に推奨するかどうか」には、カスタマー・エクスペリエンス(CX)以外の要素も含まれてしまう(例:メディア報道など)
(2)NPSとビジネス業績を連動させる仕組み作りが困難
(3)その企業と複数回接点がある顧客や、推奨に対して中立と答えた顧客の意向を把握しづらい


■ NPSを補完する代替指標の検討
上記のような課題から、NPSを補完する手段として以下のような指標にも注目が集まり始めた:
(1)Customer effort score (CES): 企業が提供する製品/サービスにより「手間が減ったか/便利になったか」を問う
(2)Customer satisfaction score (CSAT): NPSと同様だが、個別サービスと全体の満足度を問う複数の質問を設ける。数値化の計算式も異なる
(3)Customer retention rate (CRR): 顧客への質問ではなく、社内データから一定期間おけるリテンション率(既存顧客の維持率)を計算する
(4)Customer lifetime value (CLV): 顧客生涯価値:顧客から生涯にわたって得られる利益を計算する
(5)Product engagement score (PES):顧客の行動からではなく、製品/サービスのエンゲージメント度合いを計測する


■ 新たな方向性
上記に挙げた代替指標とNPSを併用することにより、企業は、顧客の行動様式やサービス/製品に対するエモーションを把握しやすくなると考えられているが、一方で、業界間比較や企業間比較が難しくなるという新たな課題も挙げられている。

今後は、顧客とビジネスとの相関を高めることを狙い「業界毎の指標(顧客のエンゲージメントが少ない業界でどうすればライフタイム・バリューが向上するか等)」「顧客のパーソナリティに基づく指標や顧客セグメント毎の指標」「販売チャネル別のエンゲージメントや満足度の指標」などの論議が進むと思われるがどうだろう。
 

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