Blogs by Susumu Suzuki

April 4, 2023

ネオバンクが登場した2010-2015年と比べ、金融機関を取り巻く事業環境は大きく変化しており、大手金融機関のデジタル戦略が本格化する一方、金利の上昇から景気後退の懸念も出ています。アイテ・ノバリカ・グループでは、ネオバンクをメインバンクとして利用している消費者像をアンケート調査からレポート「U.S.Neobanks : Challenging the Challengers」にまとめ、リレーションシップ強化による収益確保への道筋を探りました。


■ 米国のネオバンク
ネオバンクの定義は諸説あるが、ここでは、2010年前後以降に登場したモバイル・チャネルを主体とした銀行サービスとする(デジタル・バンク、チャレンジャー・バンクなどの表現もあるが、ここでは区別しない)。ネオバンクの多くが、決済機能のあるチェッキング口座を提供しており、その他、貯蓄口座/クレジット・カード/無担保ローンなども提供するケースが多い。

March 30, 2023

英国で始まったオープン・バンキングは、当初は政治主導との見方もありましたが、その後データ活用高度化のための制度整備が進み、次第に具体的な導入事例も登場してきました。ここでは、リテールバンキング分野を中心に、昨今の欧州におけるオープン・バンキング動向をまとめてみました。


■ オープン・バンキングの進展
欧州のオープン・バンキングは、2014年に英国財務省から発表された「National Open Data Strategy」がきっかけとなり、2016年に発効したGDPR(EU 一般データ保護規則)や2018年から施行されたPSD2(欧州決済サービス指令第2版)などでデータ保護に関するレギュレーション整備が進んだことから、具体的なサービスの提供が始まっている。

March 21, 2023

2009年の金融危機以降、新たな規制の導入や既存規制の変更が常態化しており、金融機関にとっては期日に合わせた対策実施が大きな負担となっています。欧米では、規制に関する様々な情報を収集/分析するレグテック・ツール:レギュラトリー・インテリジェンス(RI)の利用が始まっており、アイテ・ノバリカ・グループではこの分野の動向をレポート:Regulatory Intelligence Market Overview: A Must-Have for Complex Regulatory Compliance Obligations にまとめています。

March 20, 2023

API接続を活用して融資審査を行うSMB向けデジタル・ローンの話題です。米国では金融機関の30%程度がAPI融資を提供中、或いは提供する予定と想定されていますが、SMB経営者の80%以上が積極的に利用したい意向を示しており、デジタル融資事業が急速に立ち上がる様相です。弊社ではこの分野をレポート:Streaming Comes to SMB Lending: Don’t Be a Red Envelope にまとめています。

       
■ SMB向けローン事業の難しさ
米国国勢調査局の調べによると、全米には社員20名以下のスモール・ビジネスが540万社あり、もし各社が7万5000ドルのローンを組んだと仮定すると、金融業界にとっては40億ドル規模の貸付市場があることになる。ただ現実には、貸付金額が小さいローンはスペシャリストの審査コストをカバーできず、金融機関にとってはニーズはあるものの積極的にサービスを提供できないジレンマがあった。

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