英国スーパー大手Tescoが提供するサステイナブル・サプライチェーン・ファイナンス

イギリスのスーパー・マーケット最大手Tescoが、仕入れ先企業に提供するサステイナブル・サプライチェーン・ファイナンスの話題です。テスコは、商品を納入するサプライヤーの温室効果ガス削減の取組み度合いに合わせ、サンタンデール銀行経由で低金利の資金を融資します。


■ テスコのサステイナビリティ対応
英国スーパーマーケット最大手のテスコは、ESG/SDGsに関する積極的な取り組みを行っている。2017年には、気候変動対策目標として2030年までに事業運営を100%再生可能エネルギーで行うと宣言した他、小売業として世界初の「サステナビリティ連動債」を発行している。現場でも、物流センターと店舗間の配送トラックのEV化や食品廃棄物の半減を進めている。2021年9月からは、商品を納入するサプライヤーに対して、サステイナビリティ度に応じた低金利資金の融資(サプライチェーン・ファイナンス)を開始した。

この仕組みは、サプライヤーが、テスコが指定するサステイナビリティに関するデータ(温室効果ガスの排出データなど)を提出すると、それをAnthesis社が独立機関として検証/評価し、基準を満たす場合、提携先のサンタンデール銀行が低金利の資金を融資する。テスコでは、サステイナビリティの評価基準や必要なデータに関し、ベストプラクティスやレギュレーションに合わせて常時見直していくという。サプライヤーが情報を提供するためのツールは、テスコが提供する。


■ テスコのサプライチェーン・ファイナンスが注目される理由
テスコのサステイナブル・サプライチェーン・ファイナンスは、任意参加ではあるものの、サプライヤーが温室効果ガス削減に取り組むインセンティブとなることに加え、より広範囲の波及効果があると見られている。
・多くの企業が、サステイナビリティ対応に関するデータ公開を意識するようになる。
・他の小売事業者や他の金融機関が、競争上Tescoに似た取組みを始める可能性がある。
・テスコは、事業環境に応じてサステイナブルの基準を順次引き上げるとしており、サプライヤーが継続的な取り組みを行わなければならない事業環境を提供することになる。
・サプライヤーはグローバル企業であるケースもあり、その場合、波及効果は英国内に留まらないだろう。

テスコのプログラムに対するサプライヤーの反応や利用状況に興味がわくところだが(現時点では未公表)、それに加えてプログラムにどのような波及効果が出てくるのかにも注目しておきたい。

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