ソーシャル・メディアにマーケティング・オートメーションを適用:メリルリンチの場合

データ分析を活用し、パーソナライズされたメッセージを発信するマーケティング・オートメーション(MA)が注目されていますが、メリルリンチ証券では、フィナンシャル・アドバイザー(FA)のマーケティング活動を支援するため、「ソシアライズ」と呼ばれるMAプラットフォームを構築しています。アイテ・ノバリカ・グループではその概要をレポート「Bank of America's Socialize Platform」にまとめました。


■ ソーシャルメディアを使ったマーケティングとその課題
米国では、ビジネス上のリレーションシップ構築において、FacebookよりもLinkedInが使われることが多いが、フィナンシャル・アドバイザー(FA)もLinkedIn上に自分のページを開設し、顧客が興味を持ちそうなコンテンツを掲載することで、既存顧客の維持/新規顧客の開拓に活用している。いわば、FAの個人ブランド・プロモーション・チャネルと言えよう。

ただ、アドバイザー自身がコンテンツを作成したり、外部記事の妥当性/著作権/金融機関としてのコンプライアンス適合性を確認したうえで掲載するのは、大変な手間がかかるという問題があった。


■ 「ソシアライズ」プラットフォーム
メリルリンチでは、FAに対する支援策として「生産性向上支援」「新規顧客開拓支援」「顧客エクスペリエンス向上支援」を重要施策としている。同社では、FAのSNS向けコンテンツ作成/掲載支援策として「ソシアライズ」を構築、2019年7月にアドバイザー150人に向けてパイロット・リリースした後、同年末には全社FA1万7000人に対するリリースを行った。

「ソシアライズ」では、
(1)メリルリンチ本社が主要新聞のWM関連記事や個人向けマネー雑誌の記事(日経マネーや東洋経済/ダイヤモンド等の個人資産に関する記事を想定ください)をライセンシングし、内容の妥当性やコンプライアンス面のチェックを行なったうえでFA向けコンテンツ・データ・ベースとする(コンプライアンス・チェックにはProofpoint社のAIエンジンを活用)。
(2)更に、FAが過去にSNSにポストした内容から個々のアドバイザーの嗜好に沿ったコンテンツをGravevine6のAIエンジンが選択、LinkedInに自動掲載する(手動でも可)。

もちろん、アドバイザーが独自にコンテンツを作成したりコメントを追加することも可能だ。更に、顧客/見込み客がそのコンテンツを閲覧したかどうかを集計、コンテンツ選択のアルゴリズムをチューニングする。また、統計データにより同僚アドバイザーの取り組みを参考にすることも可能だという。


■ 今後の拡張計画
統計データは、メリルリンチ本社でも新人FAのトレーニングに活用されている。今後は、ソシアライズで選択したコンテンツをAPI経由で他のSNS(Facebook)に適用、更に、Eメール/メッセージング経由でコンテンツを送付する機能も計画されている。

2020年夏時点での調査では、メリルリンチのFA1万7000人のうち70%がソシアライズを利用、コンテンツは50万回以上ポストされた。アドバイザーは、自分のブランド・イメージ構築や多くの顧客とのリレーションシップ強化を効率的に行えると感じている。メリルリンチでは、今後アドバイザーの若返りが進み、ターゲットとする顧客も次世代が中心となれば、ソシアライズの効果は更に広がるとみている。WM事業におけるマーケティング・オートメーションにも引き続き注目しておきたい。

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