米国金融機関のデジタル・トランスフォーメーション推進方策

デジタル・トランスフォーメーション(DX)がビジネス界のバズワードとなっていますが、その内容に関しては様々な理解があるように思われます。アイテ・ノバリカ・グループ(ANG)では、金融機関のCIO/CTOにアンケート調査とインタビューを実施し、各社のDXに対する認識や現状をレポート「CIO/CTO Checklist: Best Practices for a Digital Strategy」にまとめました。


■ Financial Services CIO/CTO Research Council
 アイテ・ノバリカ・グループ(ANG)では、北米の金融機関システム部門責任者38名で構成される:CIO/CTO Research Councilを組織化している。現在の参加企業は、大手/中堅の銀行、ウェルス・マネジメント企業に加え、保険会社など多岐にわたっている。ANGでは、2022年第三四半期、Councilメンバーに対して、各社のデジタル戦略に関するアンケート調査とインタビューを実施した。


■ デジタル・トランスフォーメーション(DX)に対する取り組みの現状
ヒアリングから得られた各社共通の認識は、以下のとおり:
  ・DX推進の最終目標は、ユーザーエクスペリエンスの向上と、業務プロセスを自動化することで効率化を達成することである
  ・プロセス改善に活用できるツールはデータ分析だ
・銀行では「モバイル機器をどう活用するか」、ウェルス・マネジメント企業では「データ分析を活用して、FAの生産性を如何に向上させるか」に焦点が当たっている。
・69%の企業が、自社のデジタル化の現状把握(CSAs:Currenet State Assessments:施策の目標はビジネス目標に沿っているか、適切なリソースが配分されているか等)を定期的に行っている。


一方、DX推進の障害要因(テクノロジー面)として、以下が挙げられた。
・レガシーシステムは、迅速なシステム開発/インテグレーションに向かない
・データがばらばらに存在している
・製品/サービスの仕組み/インターフェースもばらばらである

・テクノロジー面以外の障害要因では、以下への言及があった。
  ・企業カルチャー
  ・優先順位に関してコンセンサスがとれない
  ・無関心な社員が多い
  ・DXの結果を計測する仕組みがない
  ・適切なリソース/スキルがない


■ 今後のDX推進に関する認識
前述のような経験や現状を踏まえ、現在、各社CIO/CTOは以下のような認識を持っている。
・DXとは、様々な新しいテクノロジーが活用できる時代において(1)情報(2)顧客/従業員(External Customer&Internal Customer)(3)各種業務プロセスの関係を抜本的に見直すこと(Re-thinking)である。
・DXとは、デジタルを使ったビジネス・トランスフォーメーションである。
・DXとは、カスタマー・エクスペリエンス向上と業務の効率化を両立させるためのプロセス再構築のことである。
・DXとは、新しい技術とデータ分析を活用して、ユーザー・エクスペリエンスとワークフローを再設計することである。

・DXの成否は、顧客満足度やNPSで判断されるべきである。
・DXがうまく行けば、顧客/社員は次に何をすれば良いか(Actionable Insight)が分かるようになるはずである。
・DXには時間がかかる。「変更」ではなく「抜本改革」が必要となる場合もある。
・DX計画には、人材確保/人材教育施策を含める必要がある。

デジタル・トランスフォーメーションを成功させるためには、全体の方向感を持ちつつも現実的なマイルストーンを設定し、更に全社的な協力/支援を得るため社内コミュニケーションが重要となると考えられるがどうだろう。


 

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